サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

春はあけぼの ホィール組 その4


さて、今日もホィー(のムラボ日記風に)のつづきを。

『お客さんから預かった・・・』?じゃなかった、
なり前に中古で手に入れた、28HのADX-1リム+シマノ7700ハブで組まれたホィールの前輪を組み直しました。

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既に組み上がって、先日箕面ドライブウェイで試乗済み。

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保存している画像を調べてみると2012年の6月にADX-1をオーバーホールした画像があったので、その頃に手に入れたホィールのようです。

手に入れた際は前後輪とも、スポークは1.8~1.6~1.8のトリプルバテッドの、細番手で組まれていた。

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後輪のテンションが緩いと感じ、
後輪はドライブ側2.0プレーンで2交差、ノンドライブ側1.8プレーンで3交差、で左右のテンションが近くなるように組み直しました。

後輪の左右のスポークテンションに差があると、(左右同じスポークで後輪を組むと、おチョコの関係で、ノンドライブ側のテンションがかなり緩くなる)登りの立ちこぎなどでシュータッチしたり、ノンドライブ側のスポークが緩みやすかったりと、不具合が出やすいと言われています。

最近の高級ホィールの様に、後輪用ハブのフランジがドライブ側が大径、アシンメトリックな後輪用リム、ストレートスポークで左右異径、異本、片側ラジアル組、などと、左右のスポークテンションの差を少なくしているホィールは良いとして。

今回のような古いタイプのハブとリムで組まれたものはスポークテンションの差を少なくするために工夫が必要なわけです。

(特にリヤカセットが11速化して、ギヤの幅が増し、130㍉のリヤハブ寸法ではもう手組ホィールでかっちりとしたホィールを組むのは限界にきているようです。)

今回は前輪をNJS認定のホシエアロスポークで組み直しました。

エアロスポークは、丸スポークをプレス加工し中間部分が板状に加工されているのですが、プレスによって冷間鍛造され強度が丸スポークの時よりも高くなっているそうです。ホィールの回転時の、スポークの空力抵抗が少なくなるとともに、スポークテンションも強く張れるわけです。


では本題。まず前輪を分解して。ゾルダリングしていたスポークは廃棄処分。
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ARAYAのエアロ1の後継のADX-1リム、28H。
厚いハードアルマイト加工された、軽くて強度の高いリムです。
エアロ形状でブレーキ面が曲面の割りにブレーキのタッチも良く、利きも良い。

2000年前後のアラヤのリムでとっくに廃盤になった、今も中古市場で人気のリム。
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367gと軽い割に、リム単体で加重した感じではかなりしっかりしています。

以前持ってたマビックの軽量チューブラーリムなんかはリム単体で力を掛けるとグニャグニャと変形し、雨の中を走るとブレーキ面のアルマイトがすぐ剥がれてしまう有様で、やはりヒルクライムなんかに特化したリムで、普段使いにはちょっと不安で向かないと感じました。

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デュラエース7700ハブ、120g。

カップアンドコーン方式のハブではSHIMANOの最高傑作ではないでしょうか?

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ホシのエアロスポーク(NJS適格品)が 28本で160g弱。

在庫の新品スポークを5ミリ切断し、ネジを切りなおして用意。

アルミのニップルが28個で8g

組み上がりは合計655gと言う、そこそこな軽さの組み上がりの予定。

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まずハブにスポークを通す作業。
イタリアン6本組3交差に綾取りし、スポークを1本ずつリムに通していく。

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リム穴には左右の穴振りもあり、またバルブ穴の位置決めなど、
最初の6本一組を通す際のリム穴の位置決めが大切になります。

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ニップルはアルミの赤で

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綾取りが終わり、ホィールの原型が組めました。ここまでが初日の夜の作業。

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二日目の夜。

ここからはホィールを振れ取り台に固定して、テンションを上げて行きます。
ここからの作業はその3で解説した作業になります。

作業の手順は増し締め~横触れ取り~縦触れ取り~センターの確認・・・
こんな具合に繰り返して、テンションを上げて行きます。

前輪の場合は左右とも同時にニップルを締めて張っていきます。
後輪ではある程度ドライブ側を張ってからノンドライブ側を張って仕上げます。

縦振れや横振れの取り易さは、リムの精度、スポーク本数などで左右されます。

どんなに頑張っても古いタイプのリムの継ぎ目部分などは縦振れを取れませんが、
微細な縦振れはあまり気にしなくとも、タイヤが吸収してくれますが、
横ブレは頑張って取って置かないと、ブレーキがシュータッチするので、
センター出しと共に、納得できるまで追い込みます。

一晩おいて、加重を掛けて馴染みを出して、再度チェックして、組み上がり。
前輪はゾルダリング(結線ハンダ付け加工)もしておきました。
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ついでに以前組んだ後輪の、振れとセンターのチェックもしておきました。

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組む前の計算より3g重くなったのはゾルダリング加工分。

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タイヤは剥がして保管していた、中古のVittriaのCORSA-CX21Cを MIYATAのチューベラーテープで貼りました。

最近はセメントで貼るのを辞めました。何時の頃からか?シンナー系の揮発臭が偏頭痛の原因になるので苦手なのです。

僕はのムラボ日記の愛者(随分ホィール組の勉強はさせていただきました)なので、かなり、のむラボさんの理論に毒されている部分がありますが、所詮素人がプロの猿真似をして組んだホィールは、本物(のむラボホィール)とは全く別物です。
あまりこの文章は参考にせず、気にしないで下さい。

ちなみに、僕はレース志向の全くないサイクリストなので、辛辣歯に衣を着せない意見を書くブログで有名な、のむラボさんのお店(大阪市内)には行った事が無く、のむラボホィールも持っていません。

昔、のむさんが、シルベストサイクルの豊中店の店長さん?だった頃に、少しお世話になった程度で、友人でも何でもありません。


春はあけぼの 今日もホィー・・・ 完