サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

◎ 今年の盆

 今年も盆が明けた。ボクには墓参りに行く習慣が無い。ボクが子供の頃に亡くなった父の墓は奈良に住む15歳年上の長兄が後に建てた。しかしお盆は母と三男の兄が暮していた大阪市内の実家にある仏壇にお参りして済ませるのがずっとボクのお盆の習慣だった。
 その三男の兄も3年前に亡くなり、兄の入院療養中に一人暮らしになった母も認知症になり、5年前からはウチの近くの老人ホームに居る。 ここ3年は三男の兄の法要で奈良に墓参りをしたが、3回忌も済んだので今年は長兄に任せて墓には行かなかった。
 
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  戦後に立てた築60年以上になる実家は今年の六月に借地契約が切れるのを節目に整理して更地にし、地主さんにお返しした。実家の整理は僕にまかされ、今年は春から法律上の手続きで役所通いや、家財道具の整理に大変手を焼いたが、結局ほとんどのものは業者に頼んで廃棄処分にした。しかし仏壇は50年経ってかなり痛んでいたが棄てる事が出来ず、大枚を払って(母のお金だが)思い切って修理に出した。まだ修理は出来上がっていないが、仏壇の落ち着き先はまだ決まっていない。
 今年のお盆はと言うと、いつも滋賀から帰省してくる長男一家が盆の間、仕事が休めずに来れなくなった。孫の顔が見れないのは少し寂しいが仕方がない。
 今年の盆は老人ホームに居る96歳の母と一日過ごした。以前は盆と正月はウチに連れて帰り、一、二泊したのだが最近は母の呆けがきつくなりウチに連れて来るともうホームの事を忘れてしまい、翌日老人ホームに連れて戻るのに手を焼く様になってしまった。
 翌々日は家内の実家に行って両親とお昼を食べに出かけ1日を過ごした。義父は93歳、義母は89歳、こちらは二人とも頭はしっかりしているのだが足腰が弱り、二人暮しも最近は少し危うくなってきた。最近家内は、月一、二度は実家に様子を見に帰っている。
 なんでも前日に家内の兄夫婦が来たそうなのだが、自転車で15分ちょっとのところに住み、一番家が近いのに最近は正月と盆しか来ないと両親がぼやいている。両親の事は娘が見るもんだと決め付けているようで盆と正月と母の日に来れば自分の責は果たしたみたいに思っていると嘆いていた。
 家内の実家にも墓所はあるのだが、誰の遺骨も入っていない。幼くして亡くなった家内の長兄と義父の両親の遺骨は事情があり、一昨年義父の里の九州からやっと連れて帰ってきたのだが、墓には入れずに仏壇にまつってある。しばらくは一緒に居て、墓に入れるのはもう自分達のどちらかが死んだときでよいのだそうな。よってこちらも仏壇に手を合わせて墓参りはいかずに済ませた。
 
 そんな感じで今年の盆も墓参りには行かずに、まだ頑張って生きてくれている人たちへの気持ちばかりの親孝行で済ませていただいた。