サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

二年ぶりの佐々里峠行

11月6日土曜日、2年ぶりに秋の佐々里峠行。
イメージ 2

朝6時半に家を出る。
名神高速から京都縦貫道を経て日吉ダムパーキングまでは車載。

名神大山崎Ⓙ から京都縦貫道に入り、いくつかトンネルを過ぎ亀岡に入ると、辺りは濃い朝霧に包まれる。そういえば何年か前の秋もこんな朝霧の日だったなぁ。
イメージ 1
こんな日は、紅葉峠の展望台からは雲海の亀岡盆地が見られるんだろう。(まだ見たことは無いけれど。)
しかし、この天候を不安に思う必要は無い。
朝霧は今日一日の晴天を、約束してくれたようなものなのだから。

8時過ぎに日吉ダムパーキング着。
イメージ 3
イメージ 4
車のメーターでは、外気温は6℃。
車外に出てみると肌寒いが、朝霧の合間からは時折り日が差して来た。

イメージ 5
自転車を組み立てサイクルウェアに着替えを済ます、日差しも多くなってきて気温の低い割りには風も無く、暖かく感じる。

この時期のウェアの選択は難しい、今日はモンベルの長袖ドライシャツに長袖ジャージ+薄手の起毛ビブタイツ。それに朝の内は薄手のウインドブレーカを羽織る。

今回も反時計回りに、花脊から佐々里峠を越え、美山に下るルート。

マイフェイバリットポイントの佐々里峠は今回で5度目かな?いや6度目かな?

8時半に日吉ダムのパーキングを出る、ダムサイトまではいきなりの急登。
イメージ 6
人っ子一人居ないダム上を右岸に渡る。
イメージ 7
肌寒い、日蔭の湖周道路を一路、京北へ。

天若湖から桂川沿いに宇津狭まで来ると、空が開けて日差しを浴び、温かくなる。
イメージ 8

宇津峡からは国道477号を京北へ。
途中、国道の峠をエスケープし、魚ケ淵の枝垂れ桜に立ち寄る。
イメージ 9
此処の釣り橋も老朽化が激しい、向こう岸の民家はすでに廃屋か?
傍の一軒家でお爺さんが日向ぼっこをしておられたので、いいお天気ですねとご挨拶。

9時半、ちょうど日吉ダムから1時間でウッディ―京北に到着。
オートバイツアラーはすでに多いが、サイクリストはまだ一人も見えなかった。
イメージ 10
トイレを済ませて小休止後出発、国道162号を横断し、国道477号を花脊に向かう。
途中の街頭の温度計ではもう14℃まで気温が上がっている、風が無いので、日差しのあるところでは暖かく、薄いウィンドブレーカを脱いだ。

常照皇寺を過ぎると人家は途切れ、桂川は渓谷の様相になり、その流れはあくまでも清らか。
イメージ 12

途中、旅行車に乗った若い5,6人のサイクルツーリスト、二組とすれ違う。
振り分けバックのフル装備、今日は土曜だし、何時、何処から走って来たのだろう。

花脊のすぐ手前で僕を追い越した一人のサイクリストが、分岐を右にR477号を花脊峠方向へ曲がって行った。
イメージ 11
10時20分、花脊着、駐在所の隣のJA前のベンチで休憩していると、ときおりサイクリストが佐々里方面へ通り過ぎてゆく。
花脊峠京都市内から越えて来たサイクリストだろうか?

花脊を過ぎると桂川は渓谷から渓流に様変わり。
イメージ 14
イメージ 15
山や紅葉は色付き始めているが盛りはまだまだ。
もう1、2週間後が盛りになるのかな?
最後の分岐を美山方面に、此処からは佐々里峠まで一本道。
イメージ 13

火祭りの御柱を右に見ながら、広河原の集落を抜ける。
イメージ 16
京都北山の最深部、この辺りの集落は古く平家の落人が住み着いたと言われている。
雪深いこの辺りの家々には、近くに迫った冬越しの薪がうず高く積まれていた。
道端では巻き割りをしている方も見かけた。

集落を抜け、最後の建物、スキー場のカフェにはオートバイのグループで賑わっている。
スキー場のリフトを過ぎると、佐々里峠の冬季ゲート、ここまでくるとドコモの携帯も、すでに圏外の表示。
イメージ 17
時刻は11時20分、何時来ても、この10パーセントの標識に心が萎える。
此処で小休止して、峠までノンストップで登り切る為に気持ちを引き締める。
いや~若い方は、一々そんなことをする必要は無いんでしょうけどね。

九十九折れをいくつも喘ぎながら登っていくと、やがて左に展望が開ける。
此処を過ぎると傾斜がやや落ちて一段落だが、峠まではまだまだ長い登りが続く。

傾斜は一旦緩くなったように感じるのに、いつの間にかギヤは再びインナーローまで落ちている。今日はどうも調子が出ないな!

ちょろちょろと水の湧く、最後の水場を過ぎ、やがて左前方にスカイラインが見えてきて、峠が近い事を思わせる。

心拍(心)と呼吸と脚はすでに悲鳴を上げているが、根性で脚を付かずに頑張り続ける。
10km/hを割った速度で、よろよろと登り続けると、やっと道の傾斜が落ち、緩い右カーブを曲がると岩小屋が見え、ああ救われたと思いつつ、佐々里峠に着いた。
イメージ 18
標高735mの佐々里峠。
時刻は11時45分、長い登りに感じたが、冬季ゲートから25分弱で登ったことになる。
この峠は特に展望が望めるわけではない。
ときおり登ってくる自動車やオートバイは休むことも無く峠を過ぎてゆく、サイクリストでさえ、若い方は休まずに通り過ぎてゆく。
イメージ 22
この辺りは人の手の入らない太古の杜でハイカーにも人気があるようで、何時来ても無人の乗用車が数台は停まっている。
イメージ 19
辺りは、ブナの原生林。
イメージ 20
峠の北への下りは冷えるので、汗が少しひくまで15分ほど休憩する。
岩小屋の地蔵様にお詣りして、今日一日の安全祈願をし、辺りを散策する。

この峠道は若狭と京都を結ぶ古い街道。
人のみが歩ける峠道だったころから、峠の避難小屋の岩小屋のお地蔵さまは、北の若狭方面を向き、広河原の集落に帰ってくる村の旅人を見守っているのだと言う。
盆の頃、火祭りの準備が始まると、地蔵さまは広河原の集落に降ろされて、祭りが終わるまで山裾に安置されるんだそうだ。

休んでいる間にも一人二人と若いサイクリストが通り過ぎて行った。
12時、岩小屋前でTIME EDGEと記念写真を撮って峠を後にする。
また僕は此処に来れるんだろうか?
イメージ 21

ウィンドブレーカを再び羽織って、峠からダウンヒル
此処からは日本海にそそぐ由良川の谷筋になる。
イメージ 25

しばらく1車線の峠道が続く。
舗装もあまり良くは無く、木立の中の日陰の道では路面の状態もよく判らないので速度は抑え気味に下る。

峠の北麓の佐々里の民家を見て、廃校跡を過ぎると道路が急に広くなり白石の屋敷跡。僅かに残った塀に囲まれた庭木の椿が数輪咲いていた。
イメージ 23
イメージ 24
イメージ 26

芹生を過ぎ、美しい佐々里川の渓谷を左に見ながら下っていくと田歌集落。
イメージ 27
何時もの田歌のバス停で記念写真、時刻は12時半過ぎ。ウィンドブレーカを脱ぐ。
イメージ 28
バス停の時計の針は今日も停まったまま。
この辺りの風景が、時間が停まったままなのを一層、感じさせるためだろうか?

道は谷沿いの下り基調だが、進行方向は西向きになり、少し向かい風が出てきた。
この辺りから下りではペダルが回るが、アップダウンの登りになると両ひざに痛みが出始める。

峠から1時間ほどで道の駅、『美山茅葺きの郷』に着く。時刻は13時前。
イメージ 29
大型の観光バスが数台、ドライブの自家用車で駐車場は満杯。
ここで愉しみにしてた鯖寿司はすでに売り切れていてガッカリ。
助六寿司で我慢しようかとも思ったが、量が多くて一人では食べきれそうにないので辞めた。
結局、トイレだけを済ませて、賑わう観光名所を出る。

13時25分、美山ふれあい広場。
イメージ 30
相変わらずここはバイカーが多い。自転車ラックは僕一人でときおりサイクリストが来るくらい。
膝の痛みが強くなってきて、此処で大休止。

調子が良ければ、ここからは大野ダム方面から胡麻駅に抜けて帰るか、
19号線の神楽坂トンネルをエスケープして原峠を越えるつもりだった。

しかしこの調子ではその脚は無さそうなので、19号線を真っ直ぐ、日吉ダムまで帰ることにした。

此処からは次第に強くなってきた向かい風にも苦しみながら、
膝の痛みを、だましだまし、休み休み、15時過ぎには、週末で賑わう日吉ダムパーキングにに帰着。

京都北山は思ったほど紅葉は進んでいなかったが、秋の佐々里峠辺りの雰囲気は十分味わえました。

また来年の春、この辺りの桜の咲くころにでも来たいと思います。

走行距離105㎞、 走行時間5時間、  Av21km/h