サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

夏蝉

 早朝の 目覚まし要らず 庭の蝉
 
 いつの間にか梅雨が明けましたが、例年より早い梅雨明けと猛暑の割には蝉の声はせず、なんだか拍子抜けの夏の始まりでしたね。 昨日の朝、玄関先を掃いていると見つけました!今年最初の蝉の抜け殻一匹目です。
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 我が家は玄関先にも元々は狭い前庭があったのですが、仕事車の軽自動車を停めるためにモルタルで床を張ってしまったので今は土が露出しているのは端っこの金木犀の根元だけ。直ぐ横の水道メータの鉄扉を開けると蝉の抜け出た穴がありました。
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 毎年夏になるとモルタルが張られて出口の無くなった蝉の幼虫がこの水道メータの処からも出てくるので、梅雨が明ける頃になると、少し蓋を開けておくのです。引っ越した年の夏に この中で成虫になった蝉や幼虫が一杯死んでいるのを見つけてあわれに思い、毎年気を付ける様になりました。こんな狭いところを感知して出てくる蝉の生きようとする本能に驚かされます。 
 
 蝉の鳴き声といえば 閑さや岩にしみ入る蝉の声” の芭蕉の句が一番さきに思い出されますが。この句も今の暦で言うとちょうど7月の今頃に奥の細道』のなかで詠まれた句のようです。 “しずかな杜の中に聞こえる蝉の鳴き声” この句に詠まれている蝉の種類について、作家の故北杜夫の父で、歌人斉藤茂吉一大論争を巻き起こしたことが有名ですが、 いろいろあって結論はニイニイゼミということで一件落着したようです。
 
五年前に今の家に越してきてから毎年、梅雨明け宣言とともに毎朝、目を覚まさせてくれるのがシャーシャーと鳴く、クマ蝉の大合唱でした。
一昨年の春に、我が家の狭い裏庭にあった楠の木がこの庭には大きくなりすぎて、思い切って切ってしまったので 二階の寝室の真横で鳴いていた蝉の鳴き声がしなくなり、昨年からは幾分静かな夏の朝を迎えることが出来ています。 築30年余りの古家、切った楠の年輪もちょうど同じくらい数えることが出来、最初のこの家の住人が苗木をこの庭に植えたことが推測できました。
 蝉の鳴き声とともに悩まされたのがイラガの毛虫、新緑の頃に大発生し3度ほど枝から落ちていたヤツにふれて痛い目をしました。小さいくせにこいつに刺されると(刺されるというより触れると)感電したようなショックが来て火傷のあとのようなみみず腫れが残ります。一度は庭のスリッパに付いていたのを気づかずに履き、その日は痛くて歩けなかったほどでした。
 
今朝は久方に蝉の鳴き声で目が覚めました、玄関先の金木犀かお隣の庭の木で鳴いていたようです、いよいよ我が家も夏本番のようですね。