サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

白椿 主の留守に 清く咲き

三月五日の土曜から月曜まで東京へ出張仕事。

七日の夕、ぐったりと疲れた体で帰阪。
家の玄関にやっとたどり着くと、台所で料理していた家内が「椿が咲いたよ」と教えてくれた。
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久留米の白い椿、本当の持ち主は義父。
数年前珍しく故郷の名の付いた椿の銘札に釣られ、義父が商店街で買ってきたもの。

挿し木で売られ、花が終わった後、ボクが預かって大事に育てていたのが数年ぶりにやっと蕾を二つ付けた。

東京出張前から陽気で蕾が膨らみはじめ、花が咲き始めたら義父の処に持っていこうと思っていた。
今朝、一気に咲ききらないように、日当たりのよいベランダから玄関に移した。
今日は一日休養して、明日にでも義父の処に届けよう。

鎖骨と肋骨を骨折後、出張仕事は断っていたのだが、骨折もかなり回復、今回は是非にと頼まれ断り切れずに出張仕事を受けた。

往きの新幹線では、雲間に富士の頂を見る事が出来た。
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11時前に、お台場近くの東京ビッグサイト東京国際展示場へ着く。
イベントは最新のLEDの照明器具の展示会。仕事は大手電機メーカのブース設営。
青色LEDの発明でノーベル賞に輝いたLED照明は、ここ数年の進化が凄まじい。
蛍光灯もハロゲンも、もはや過去の遺物になろうとしている。
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展示された商品は、家庭の照明から、街灯、競技場の照明まで、全ての照明器具がLEDに取って代わろうとしているようだ。

初日、二日めと残業して現場がほぼ仕上がったので、最終日は少し楽をさせてもらい、16時前の新幹線に乗れた。

品川から乗った帰りの新幹線は、ひとり静かに本でも読もうと、呑み助の職人仲間とは駅で別れ、一つ遅い列車の席を取った。
夕刻前の『のぞみ』は込み合うほどでもなく、3人席の通路側の席で、どの席も真ん中の席は空席で新大阪までゆったりと座れた。
新幹線の普通席で先に売れるのは窓側の席だが、一番ゆったりと座れるのは通路側の3人席かな。

動き出した列車で本を読みだしたら、近くの席で赤ん坊が泣きだした。
お母さんも困って、ひたすらあやしているのだが泣き止まない。

ある作家が言っていたが、『赤ん坊は泣くのと寝るのが仕事なんだから文句を言っても始まらない、そのうち泣き止むのを待てば、やがていつかは寝入る。そこはじっと我慢するのが大人の流儀』と、ボクも作家に習って気にしないようにする。

と思っていたら、横浜から乗って来た、ま後ろの席に座った若いサラリーマンがテーブルを出してカチャカチャとPCのキーボードを打ち出した。

しばらく我慢していたのだが、ソフトタッチとは言い難く、頭の後ろで余りに五月蠅いので、無理やりの笑顔を作り、後ろをふり向いて、「すみませんがテーブルで打つのは止めてくれませんか」とお願いしたら、ボクの作り笑顔が余計に怖く見えたのか?びっくりした表情で慌ててPCを仕舞い込んで大人しくなった。
どうせ出来の悪い日帰り出張の営業日報を、社に帰るまでにあわてて作成してたんだろう・・・。
静かになっと思ったら、今度はやたらガーリックの臭いがする弁当を食べだしたようで、また辟易する。

その若いサラリーマンは名古屋で降りて、赤ん坊もいつしか寝入り、ボクの辺りの席は静かになった。

文庫本をじっくり半分ほど読んだところで新大阪着、そのままJR東海道線に乗り換えて、一駅先の大阪駅に出て、退勤時間で込み合う梅田を歩き、阪急電車に乗り換える。

ボクは繁華街の人込みが嫌いで、通勤は現場仕事で車。普段滅多に電車に乗らないので、此処数年の大阪駅近辺の様変わりに戸惑う、いつの間にか自分が田舎者になった気分。
夏冬問わず、ほとんどエアコンを使わないで寝るからか、出張中のホテルの部屋は窓の開かない密室で、暖房を切っても暑くて息苦しくてよく寝れなかったし、風呂は例のトイレ付きのユニットバスで入った気がしないし、食べ物は昼は会場のレストラン、夜は残業で店が早く締まりコンビニ弁当、出張中は本当に味気ないが、数日のことと我慢するしかない。

家に帰り、ゆったりと風呂につかり、家内の手料理が美味かった。

疲れて早く寝たら、午前4時過ぎに目がぱっちり覚めてしまって、またPCの前でメールとブログのチェックをする。再度布団に入り、文庫本の続きを読み始めたら再び眠りに落ちた。

文庫本の影響か? 二度寝の明け方に良い夢を見た。