サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

2016 05 11 鎖骨骨折抜釘術


●2019年4月、この鎖骨骨折記事にアクセスが多いので、5年経った現状を追記します。

左鎖骨は2カ所で折れ、真ん中の折れた骨が縦になった状態で、手術までは痛みがひどかったが、手術後はうその様に痛みは無くなった。

事故後、ひと月あまりは背中側で折れた3本の肋骨の痛みのほうに悩まされた。

1年半後のプレート抜釘手術後、鎖骨はすごく敏感になり、たまに軽く何かが当たっただけでも2~3日違和感が出たりします。
腕が動かせないような痛みが出るのではありませんが、鎖骨を何かにぶつけないように、異常に神経を使います。

鎖骨が骨折前の柔軟性と強度に戻ることは無いのでしょうね。

プレートを取って良かったのか、取らないほうが良かったのかは、どちらともいえないと思う。
骨折後、プレートで補強されている安心感はスゴクあったが、それと相反してプレートが鎖骨を固定している違和感が次第に大きくなってきたから。

これはもう相反することで、致し方のないところなのは、頭では理解できているんですが、どうしようもなかったですね。

左肩から鎖骨にかけての痺れは相変わらずです。
最近は痺れより、左肩廻りの筋肉が硬直したように感じることもあります。

特にリハビリ的な左腕の可動域の運動はしていませんが、何かした方が良いのかも知れない。

これは65歳にもなれば、全身に言える事で、特にけがをした部分だけの事ではない。

とにかく確実に言える事は、僕の様に2カ所以上で鎖骨が折れた場合はプレート固定手術を受けるのが最善だろう。

一か所で折れた単純骨折の場合は、僕には何とも言えないが、ギブス固定で自然治癒をするか、針金を通して骨を繋ぐ手術か、プレート固定か、3つに一つを選択しなければならない。

然し僕なら、単純骨折でもプレート手術を選択するだろうと思う。
手術後は痛みがほとんど無かったし、早く腕を使えるし、(痛みさえ無ければすぐに自転車に乗るのも可能だ、僕は年齢もあって用心してひと月は乗らなかったが。)

ただし傷跡は多少残る。
以前、ガールズ競輪の選手のジャージから出た鎖骨部分にミミズ腫れの手術痕のあるのを見たことがある。

僕の場合、鎖骨に沿って10センチほど切開したのだが、ほとんど手術痕は無い。
糸での縫合も、ホチキスでの縫合も無かったのもあるのだろうが、
よって手術後の抜糸も無かった。

術後フィルムで鎖骨上下の皮膚を引っ張るようにフイルムが貼られていたが、先生のお話では、こうすることで皮膚のミミズ腫れのような手術痕がなくなるとの事だった。1週間後にフイルムを剥がして退院。

1年半後の、2泊3日の抜釘手術後は、糸で縫う代わりに、たくさんの小さなテープで傷口が固定された上からフィルムが貼られてたが、これらは退院後1週間後に自分で剥がした。

2回も同じところを切ったにしては鎖骨上に薄っすら線状の痕は残るが、ほとんど目立たないくらいだ。勿論みみず腫れも無い。(色白の肌の綺麗な女性ではやはり手術痕は多少目立つくらい残るだろう)
今追記することは、以上です。2014年10月の骨折事故時の事とプレート固定手術の事は此処に書いてあります。


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 自転車に跨って、佐々里峠の石室前から北に向かって下り始める・・・。
左に緩いカーブ・・・、次は右カーブをぐるっと回り込んで・・・・・・・・。 

前回は手術台の上で麻酔のマスクを付けられて、この辺りですぐに意識を失った。
 今回はまだ右に左に自転車に乗って森の中を下り続けている・・・。 
『おかしいな~、一体どうしたんだ・・・?』なんて思っているうちに、1分?ほどして意識が無くなった。

イメージ 5

 1年半ぶりの全身麻酔での抜釘手術は、二泊三日の入院二日目の朝、9時半から始まり、1時間半後の11時すぎに、病室で意識が戻った。 
前回よりずっと意識がはっきり、スッキリとしている。

 前回意識が戻った時は、意識がもうろうとした状態が夕方まで続き、ブロック注射のせいで、左腕はまるで身体の脇に大根が置かれたように冷たく全く感覚が無かった。 その後も夕方までウトウトと睡眠と覚醒を繰り返していた。

 今回は短時間の手術で麻酔が軽かったようで、意識の戻りも早く、ブロック注射も不要だったようで、左腕の異常な感覚も無かった。

 ただ早く意識が目覚めたのはいいが、酸素吸入のマスクが3時間ほど外せないので、寝ていて息苦しくて困った。
おまけに気管挿管のせいで枕も使えず、非常にこの3時間は辛く、長かった。

 前回と同じ、骨折部の左鎖骨上部を10センチほど切開してプレートの除去手術をして頂いた。
 前回は骨折の痛みで、術後の皮膚の切開の痛みはほとんど感じなかったが、今回は切開の傷口の痛みだけを感じるんだろうなと思っていたが、ヒリヒリ、チクチクとはするものの、看護師さんに鎮痛剤をお願いするほどの痛みは無かった。

点滴のほうに鎮痛剤が入っていたのかもしれないが、翌日、そして退院後も念のための鎮痛剤は貰った物の、飲むことは無かった。

 退院して、このブログを書いている二日後の今日も、大人しくしている限りほとんど痛みは無いし、シャワーも浴びれるし、昨今の医学の進歩はありがたい。

 10センチほど切開された患部は、抜糸も必要無く、傷口を縫うように細いテープが何本も貼られ、その上から全体を透明なフィルムが貼られて保護されている。丸見えの傷口が順調に回復すれば、通院1,2回で、約2週間後にフィルムを剥がして全治となるようだ。

 骨折のプレート除去手術を医学用語では『抜釘術』というのだそうだ、
「ぬくくぎ」と書いて、『ばってい』と読む。
イメージ 1

幅1センチ、長さ12センチ、厚みは3ミリほどで非常に硬いが、美しい曲線に加工された、チタンプレートと、チタン製のビス、7本。重さ14g(ビス7本込)
術後、主治医が記念にとくれた。

イメージ 2

プレート(減菌済)を袋から出してまじまじと見つめてみた。
六角レンチは2,5㍉。(レンチはボクの私物です。)

イメージ 3

 骨に沿うように湾曲し、全体に微妙なカーブとねじれを持たせたチタンプレート。
だるま形状のネジ穴の片側には、雌ネジが切られていて、プレートが骨と密着するように作られている。かなり精巧な造りだ。

イメージ 4

 チタン製のビスは先端が刃付の物と2種類のタッピングビス。
 ネジ頭も2,5㍉穴のヘックス(六角)と、ブルーの刃付の2本ははトルクスヘッドと、精巧な高級ネジが使われていた。プレート共、かなり高価そうな金物。

大事に取って置いて自転車の修理にでも使ってみようかな(爆

 これにまたお世話にならないように、気を付けなくてはいけないと肝に銘じる。

 主治医の副院長先生の術後の弁。

『抜釘術は骨の回復の早い方や若い方は、骨折後半年くらいで行いますが、ひろべぇさんの場合は念のため1年半待ちました。 もっと何年も長引くと今度は抜釘ができなくなります。 もう少し高齢の方(70歳以上?)には全身麻酔なので抜釘術は勧めません。 
 今は鎖骨からプレートを取った上に、ビスを抜いた穴が7本空いているので骨の強度が弱くなっています、しばらくはラグビーのような格闘スポーツは慎んでください、勿論、転倒にも気を付けるように・・・』 との事でした。

ラグビーなんてしませんって! ボクはただのサイクリング好きの自転車乗りですし。 (しかし自転車乗りで競技志向の強い人は鎖骨骨折後の術後、直ぐに自転車で走りたいと言って、医者を困らせる人がちょくちょくいるそうです。鎖骨骨折は自転車競技の選手には付きものですからね。風邪ひきくらいに考えている選手もいるんじゃないかと・・・・・)

 鎖骨骨折自体の回復は一年半でほぼ痛みも無くなったし、(背中側の肋骨の骨折部はいまだに時々鈍い痛みを感じる) 腕を動かしても特に不自由も無かった。
しかし、代わりに硬いチタンプレートが鎖骨の捻じれや撓りと言った微妙な動きを押さえこんでいるような違和感が徐々に強まって来たように感じていた。

 主治医の先生の仰るには、骨折後の抜釘術は、鎖骨や足首、手等、良く動く部分の場合、希望する患者がやはり多いそうです。 

 再度切開手術をするのは嫌だし、抜釘術をしたからと言って、鎖骨の違和感が全て無くなるかどうかは保証が無いし・・・どうしようかな・・・と何度も考えました。 

 睡眠は別として、全身麻酔で意識を失うと言うのは、少し不安や恐怖が無いとは言えない事です。(怖がりのボクだけかな?)
 果たしてこの世界に戻れるのかな・・・?なんてことをついつい考えてしまう。

しかし術後二日目の今は、やはり抜釘手術をして良かったなと思っています。

イメージ 6
退院後、家に帰ったら、庭のカシワバアジサイが咲き始めていた。


2017年8月、骨折後、3年目、抜釘術後15ヶ月目の追記

退院後1ケ月後の検査通院が最後になり、その後、現在まで通院することはありません。

抜釘後、患部のプレートによる違和感は無くなりましたが、骨折部の違和感はいまだに有ります。これはもう、無くなることは無いかもしれません。

補強金物が無くなって、すこし弱くなっているか?仕事帰りや、ロードバイクで走った後に痛みが出たりすることもありますが、痛くて手が使えないというようなことはありません。

1年以上経った今も、プレート除去前は無かった、別の痛みを感じることがあります。
時折、何かの拍子にピリピリと痛みのような、電気が走ったような感覚を覚えることがありますが、それが長引いたり続いたりすることはありません。
たぶん神経系の痛みかと思われます。

しかし真冬のサイクリングで、左肩が冷えて、鈍い痛みを感じることはあります。

また左腕付け根から鎖骨の辺りの痺れはいまだに続いています。
これも神経が切れているので、もう治ることなないかもしれません。

実を言うと、これが一番厄介に感じる事で、Tシャツを一枚着ているだけでも、肩に触れたシャツが微妙に痺れを感じさせます。
もう慣れてしまっていますが、正座で痺れた脚を微かに撫でられているような感覚です。

別な言い方をすると肩にガムテープが貼られてひきつったような感覚かな?

一時は車の助手席は、シートベルトが左肩にたすき掛けになるので痺れて座れなかったほどでした。
今はそこまでひどくないので、少しづつ和らいでいるのかもしれません。


もう歳なので若い方の様に完治することは無いだろうと思いますが、違和感があることも、骨折時の不注意を忘れないようにする警告だと思って、甘受しなければいけないのかなと思っています。