サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

マイ・フェイバリット・サイクリングコース その2


何時もと全く変わらない、寂びれた篭坊温泉のアーチをくぐり、何時ものように畑仕事に立っている方以外、会う人影も無く、静かな温泉街を抜ける。
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温泉街と言っても旅館が数件あるだけで、農家のほうが多い。遊興施設なども全く無いしなびた温泉地。僕が知っているだけでも数年前に廃業、壊された旅館が在った。
しかしここには古い鉱泉跡が在ったり、農家の中にはかなり立派な外観の木造建物もある。

温泉街を抜けると、左にフライフィッシングのプライベートポンドがある、週末で数台の車と、数人の釣り人がロッドを振っている姿が見えた。

此処の左カーブを曲がると、空が開け、後川(しっかわ)の集落に入る。
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県道から外れ、橋を渡って集落の中を散策。
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幼い頃に行った三重県の母の郷の山家に似た雰囲気の農家、いつもここに来ると、この家を見に立ち寄る。
5,6歳の頃のことで、記憶はおぼろげで定かではないが、初めてここに来た際に、この家を見て何か僕の心の中で響くものが在った。

実は一昨年の秋に三重の津市に居る長姉とそこを一度訪ねてみようと思っていたのだが、僕が事故って骨折したのでそのままになっている。
骨折も抜釘手術も受け、一区切りついたので、今年の晩秋までには行ってみたいと思っている。

この日も写真を撮って、ゆっくりと自転車で農家の前を通ると、おばあさんが縁側に座っておられて、こちらを見られたので、僕が頭をこっくり下げると、おばあさんも挨拶を返してくれた。何かそうして今年99歳の母のことが思い出されて、心がジンとしてしまった。

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集落を行くと、県道12号線の西峠からの道が横切る。
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此処から城東トンネルの峠を越すともう篠山の城下町になる。

十字路を羽束川沿いに少し行くと、秋には篠山名物、黒枝豆を売っているガレージの自販機でボトルの水を補給する。いつの間にか立派な白木の看板がかかっていた。
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黒枝豆解禁日の10月に入ると、黒枝豆販売の幟が立ち、シャッターが開いていて、サイクリスト向けに?背中のポッケにちょうど収まる大きさの枝から外した袋入りの黒枝豆を売ってくれている。
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ガレージの軒下に新玉がいっぱい吊るされて干されていた。

集落を抜けると、再び渓谷沿いの道になる、このあたりの渓谷は小柿渓谷と呼ばれ、河原に出ると大きな岩がゴロゴロとしていて、水量の少ない夏場は、水遊びや日帰りキャンプの子供連れで賑わっている。

キャンプ場を一つ過ぎて、渓谷を抜けると、道は南向きに変わり、左の川向うに、三田市野外活動センターがあり休日はキャンパーで賑わっている。

此処には昔子供たちが小学生の頃、ボーイスカウトの夏キャンプで来たことが在る。
今も夏場の休日は良く賑わっている。

此処からは羽束川沿いに開けた、三田の高原の農村地帯になる。
しばらく走って、何時もの八幡宮で小休止。
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神社前のバス停の名は、こんなところで何と可愛い『花折橋』。

手水場の水は今回も止まっていて、僕をがっかりさせる。
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手水場横に立派な一本立ちの椿が立っている。真冬に来ると見事に赤い椿の花が咲いている。
能舞台の前の石段に座っていると、二人連れのサイクリストが止めた自転車を見つけたのか、こちらをチラッと見ながら通り過ぎて行った。

腰を上げ走り出す、前方の南の山あいには特徴ある三角頭の羽束山。
周りの広い田畑は、もう梅雨の前に麦畑も刈られた後で、稲田以外の畑は次の作物が植えられるのかトラクターで土が掘り返されていた。

夏場、天気が良いと開けた田舎道は暑さが応えるが、しばらく行くと、右に道の駅風の産直販売所があり、食堂もある。ここで日陰のベンチでアイスクリームの誘惑にかられるが、休憩したばかりなのでパス。

木器(こうずき)まで行かずに少し行くと左に橋がかかっているので、そこを左折。
このコース最後の峠、r323号大坂峠への近道に。

323号の峠道に出る前の小さな橋に『そば』と書いた看板がかかっている。すこし小川沿いに登った山裾に、十割蕎麦を出す店が在る。場所をルートラボに記しましたが、シコシコとした十割蕎麦が味わえます。蕎麦好きの方にはお勧め。
時期に依りますが、自走で来たサイクリストには此処の大将が獅子肉のステーキをサービスしてくれるかもしれません。

ちなみに今年のGWの12時過ぎに、ドライブで家内を連れて行ったら、1時間待ちであきらめました。普段の土日は大丈夫だと思いますが、確実に食べたい方はお早めに。

今日はもう2時半を過ぎ、蕎麦屋は昼の営業を終えたころだろう。
大坂峠への道をしこしこ登っていく。次第に傾斜が増し、はぁはぁし出した辺りに小さなドライブイン風の食堂があるが、僕は峠道の途中で止まるのが嫌で入ったことは無い。
しかし、もしあなたが昼時に空腹でここを通りかかったなら一旦あきらめて、此処で昼飯にするのもいいかもしれない。

この日も傾斜が増したところで挫けそうになったが、前方に一人先行者のサイクリストを発見、良い目標になって頂き、峠までに追いつき、追い越せて、おかげで足つきすることも無く今回も峠を越せた。(笑

峠から一気にダウンヒル、下り着ると波豆川集落に入る。
此処から、まっすぐ行くとさらに下って猪名川沿いのr12号線に出る。
僕は波豆川の十字路で右折して、いつもの八坂神社で最後の大休止をする。

僕の後をすぐに下って来た先ほどのサイクリストが、鳥居を入ってく僕をチラッと見ながら波豆川沿いの道を走り抜けてった。
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今日はしんどいので石段下に自転車を置いて、ヘルメットを脱ぎ、境内に上がる。
もう先ほどの峠越えで、石段を上がるのもやっとこさ。

此処の手水場はなみなみと水が湧いていたので、柄杓で手と口を漱いだ後、厚かましくも頭から数回水を被らせてもらった。

此処の境内はマイフェイバリットポイントの一つ。
境内の能舞台はこのブログの背景の画像にもさせていただいています。

本殿に上がって手を合わせた後、能舞台にゴロンとなって汗が引くまで大休止。

暫くすると、目ざとい蚊たちがやって来たので、重い腰を上げて石段を下る。

先月、交換した、スピードプレイ・ゼロのウォーカブルクリート
確かに以前よりは歩きやすくなったな・・・と奥行きの狭い石段を慎重に下りていたら、滑ってずっこけそうになった。
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そう言えば、だいぶ前に篭坊温泉の薬師堂の石段でも滑って、ずっこけそうになった事があった。

普段から罪深い人間は、こういう場所では気を付けないといけない。
クワバラ、クワバラ・・・。

波豆川沿い快適な道を下り、下佐曽利の郷に出るとそこはもう、r68号北摂里山街道。

その先のT字路の久しぶりの信号が赤信号になり、バレリーナのように?左足先を着いた瞬間に突然太腿のハムストリングが攣った。

痛さにこけそうになるのを我慢して、右足で支えようとしたら、右足も攣
りそうになる。大坂峠を登っているときに少し張りは感じていたのだが、突然来た。こんなに走るのはひと月ぶりなのでしようが無いか。
そっと、サドルから尻を下ろし、ちょうど交差点横の道端の小さな広場にヨチヨチ自転車を押して行き、花壇のコンクリートに座り込む。
太腿をぶるぶるしながら、マッサージしたら攣りは収まった。
この先、もう登りはたいしたことは無いので大丈夫だろう。

道の駅猪名川までダウンヒルして、屏風岩から阿古谷にゆっくりと太腿が攣らないように登って、あとはいつもの12号線を帰った。

石堂温泉の旧道に入る処の、新名神の工事現場で、ひっそりとガードマンのオジサンがぽつんと一人。
チョット立ち話をしたら、事故が2件続いて、建設省からストップがかかりまだ工事は再開していないらしい。
もうすっかりこのあたりの高架工事は終わっているが、側道の工事がまだ残ってるのだそうな。

一昨年転倒骨折し、救急車で運ばれた際に、この12号線で救急車が揺れて、痛くてつい声が出た。
救急車の隊長が新名神の工事でダンプが増えて路面が急に悪くなったんですよと言われたのを思い出した。いずれにしてもあんな事故が2度と在っては困る。宝塚の事故現場のR176号はいまだに通行止めだ。

猪名川沿いの旧r12号を気持ちよく走って、池田から猪名川堤防を走って16時過ぎに帰った。

僕の中ではこのコースと、京都北山の佐々里峠のサイクリングのコースが、一二を競うかな?
佐々里峠は山深くて、アプローチも遠いので、そうそうは行けないが、この秋ごろまでにはまた行きたいと思っている。