サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

ホィールバランスを修正する

登りの速さは脚力に比例するわけですが、山道の下りの速さは練習とテクニックと経験です。
決して度胸だけでは山道を早く下ることはできません。
下りは速度が出るので落車すると命に係わります、決して無理をしてはいけません。
恐怖感もまた安全に山道を下るには大事な要素なのかもしれません。

僕は下りに関しては、若い頃に10年以上モーターバイクに乗っていたので多少は自信がありますが、とっさの反応などには衰えを感じるので無茶は致しません。
しかし、軽量なロードバイクでのダウンヒルは、脚力も要らず、ロードバイクの一つの魅力でもあるのです。

先日、黒豆買い出しツアーの途中の、見通しの良い、直線の下り坂で、最高速にチャレンジしたら、65㎞/h 出ました。

僅か重量1㎏ほどの、軽く細いタイヤのホィールを履いたロードバイクで、そんなスピードで走っていると、頭を低くしてハンドルにしがみ付いて居るのが精一杯なんですが、ハンドルやサドルから、手や尻に結構な振動を感じます。

その振動は何処からきているのか? 路面から伝わる振動が全てなんでしょうか?

これが実はホィールバランスの修正を行っていないホィールの場合、ホィールから発生する振動がかなりの割合を占めているかもしれません。

此処からの記事は、下りでも普段30㎞/h以上、出さない方はパスしてください。

バイクをしっかりとスタンドに固定します。
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前後のギヤを最高速が出せるアウタートップに入れます。
シートポストを左手(サウスポーの方は右手)でしっかりと持ちます。
利き手で、出来る限り早く、力いっぱいペダルを回します。
(小さな子供さんがいるご家庭では、危険なので、十分気を付けてください。)
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男性の力で在れば、この状態でおそらく40㎞/h以上は出ていると思います。
この時リヤのエンドにかなりの振動が出ます。
シートポストの手にもかなりの振動を感じます。

リヤのエンドに振動が出ていなければそのホィールはホィールバランスが取れていますが、買ったままのバイクのホイールなら、普通はリヤのエンドに、かなりの振動が発生していると思います。
(自動車のホィールでは今では当たり前の整備なんですが)
もし買ったバイクのホィールにすでに錘が貼ってあったら、そのお店はかなりの気の利く、良いメカさんがいる、お店です。

リムのバランスが崩れるのは円周に曲げ加工したリムの継ぎ目に補強材を入れるからなんですが、昨今のホィールは昔のとは違って、リム自体の精度が上がっているのでリム自体のバランスはかなり良くなっています。

リム自体はバランスが取れていてもチューブには一ヶ所だけ、バルブが付くので、どうしてもバルブ側が重くなって、ホィール全体のバランスが崩れるわけです。

リムのバルブホールは、リム接合部の対角に位置するので、相殺されてバランスが取れてしまう事もあるわけですが。
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チューブのバルブ付近はチューブのゴムも補強されているので6g近くの重りが付いているわけです。 40㍉のバルブで5,7gでした。
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バルブナットも1個で1グラム強あります。合計約7gですね。

TIMEに付いていたホィールは、まだバランス修正をしていなかったので、修正作業をしました。

バランス取りをする際は必ずホィール単体ではなくチューブ、タイヤを嵌めた状態で行います。

用意するものは、家庭用の料理秤。(自転車整備では、1kgより、2㎏計が重宝します。1000円位で売っています。台所のを使う場合は奥様の許可を取ってくださいね。見つかったら叱られますよ。)
ハサミ、ゴムハンマー(小)、ゴルフクラブのバランスウエイト。(鉛の薄板に両面接着テープが付いたもの、ゴルフショップなどに200円前後で置いています。ネットで買うと送料が勿体ない。)あとは、1円玉が10枚もあればいいでしょう。セロテープ。以上です。(ちなみに1円玉一枚は約1グラムです)
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スタンドにホイールを外して置くか、自転車を逆さにしてもかまいません。
クイックは緩めてください。

僕はホィール組のスタンドで、軽くホィールを回転させて、止まった位置を確認します。昨今の完組ホィールなら、たいていの場合はバルブの位置を下にして止まります。
(ホィールによっては必ずしもバルブの位置が下に来るとは限りません)
この時、勢い良く回すのは時間の無駄ですよ。(笑)
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このホィールはやはりバルブ側が常に下になって回転が止まりました。

何度も繰り返し、常に止まる位置が同じなら、その反対側(上部)に一円玉を重ねてセロテープで貼ります。
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10枚くらいから減らしていくか、5枚くらいから増やしていきます。
バルブのナットは1グラムあるので、ナットを常時使うなら、 6g以上の重さになります。
枚数を変えて、何回も回して、バルブの位置がいろんなところで止まるようなら、バランスが以前よりは良くなったという事です。

上手くいかない(軽くホィールが回らない)時はとりあえずナットの重さを足して6gくらいバルブの反対側に足すことにしましょう。

軽く回るホィールなら1円玉の枚数でバルブ対面に貼る鉛の重さが決まります。

リムの内側の幅くらいに細く鉛を数本切る。鉛の重さの微調整は角を少しずつ切りながら。
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秤で計りながら重い目に切ってから微調整。(あまり神経質にならずにアバウトでいいですよ)

このホィールは6グラムの錘を貼ることにしました。
アルコールやシンナーで貼る面を脱脂し、幅は少しずつ細く、長さは少しずつ短くして、数枚に分けて、重ね貼りします。
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1枚貼るごとに、ゴムハンマーで軽く、鉛をまんべんなく叩き、圧着させます。
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貼りあがったら再びアウタートップに入れて、思いっきりペダルを回してみると、かなり振動が少なくなりました。
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バランス修正した後なので、振動が減っています。TIMEの文字があまりブレていません。修正する前はリヤエンド全体が震えていました。

ついでにフロントタイヤも、1円玉で確認後、同じ位置に6g貼っておきました。
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これでかなり高速時の振動が軽減されると思います。
聞くところによるとバランスを取ると、パワーロスも減るんだそうです。

この記事は『サイメン』で有名な飯倉さんのビデオを参考にさせていただきました。
飯倉さんのサイメンビデオは、YouTubeに一杯アップされているので、是非、愛車のメンテやパーツ購入の参考にしてください。