サイクリングエッセイ Hirobee's A day in the life

北摂里山のサイクリングとひろべぇの平凡な日々を綴ります。

Campagnoloのハネ物

今年もあっという間に年末ですね、
今年一年を振り返って、こんなことがありました。

貧脚で、走ることより自転車いじりが好きな僕は、
今年トリプルクランクに嵌ってしまいました。

平坦なコースにはトリプルなど無用の長物ですが、
山間部の里山の登り基調の道を走るには、

42tというギヤは僕の脚にとても合ったギヤなんです。


クランクはカンパのスクエアテーパーBB用のトリプルクランクが気に入って、
数台手に入れて使っていました。
カンパの52×42×30や、50×40×30という、
ギヤの設定が気に入っているからなんですけど。

最近のシマノはフロントダブル、リヤスプロケット側のギヤの大径化に力を入れ、
トリプルクランクはもうほとんど作らなくなっています。

ちょっと前のトリプルクランクも、52×39×30というギヤ構成で、
ノーマルクランクに、おまけに30tを付けましたよというギヤ構成でした。

デュラ7700時代まではカンパと同じギヤ構成のものが在りましたが、
程度の良いものはもう手に入らなくなりました。

クランク以外はシマノのSTやディレイラ―と組み合わせで、
シマニョーロ組で使ったり、

総カンパ組で、トリプルクランクを入れて使ったりしています。

今年、そんな自転車いじりで楽しんでいた処、
Campagnoloの、ちょっと意外な部品と出会ってしまいました。

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最近のフレームのボトムブラケットハンガー部には、圧入ベアリング方式のBB30などのフレームが多くなりましたが、フレーム剛性が稼げるのとは裏腹に、長く乗っているとベアリングとフレームにガタが出て音鳴りがするトラブルも多発しています。
またBBユニットの交換時に音鳴りが発生することが多いように思います。

2~3年で数万キロ走って、フレームを乗り潰してしまうような走り屋さん。
そんなレース志向の方にはそれでも良いのでしょう。

愛車を大事に長く乗りたい方には、オーソドックスなスレッド(ねじ切り)タイプのハンガーのフレームを選ぶのが良いと思います。

オーソドックスなスレッド(ねじ切り)タイプのハンガーには、主に内径と幅が異なる、イタリアン(ITA)と、ISO(JIS、BC)2種類の規格があります。

フレームのボトムブラケットシェル いわゆる横管(ハンガーパイプ)部分ですが、
ITAは、幅70㍉、内径35ミリのパイプに雌ネジが切られたものが、
ISOは、幅68㍉、内径34ミリのパイプに雌ネジが切られたものが使われます。

Campagnoloの 9速、10速時代のクランクですが、53×39ノーマルや50×34コンパクト用のWギヤ用のBBユニットは軸長102㍉で共通ですが、

トリプルギヤ用はチェーンラインが若干外に出るので、軸長111㍉の専用のボトムブラケットを使います。
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上の画像はトリプルクランク用、
recordグレードのISO(BC、JIS)タイプのカセットBBです。

cholusグレードとの違いは中央のボディーが、
アルミ製かカーボン製である以外は同じです。

ちなみに中央のシャフトとベアリングの入った、ボディー部はBC、ITAとも共通で、左右のカップ(わん)を交換すれば、ITA、BC、どちらにでも使えます。

左右のワンの違いで、ITA、ISOの数ミリの寸法違いに対応しているのです。

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右ワン、左ワンとも、1,370×24tの刻印があります。
ISO規格は、1、370インチのネジ外径で、ねじ山数24という意味の表記です。
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内径34ミリのパイプに、雌ネジが切られたハンガーに適合するように、
雄ネジ部の外径は、1,370インチ、およそ34,7㍉です。この個体は正常です。

対して、ITAタイプのハンガーは35ミリの内径パイプに雌ネジが切られているので、この部分の外径は約1ミリ大きくなります。

ところが・・・
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上の画像のカセットBB 。こちらは今年手に入れた、イタリアン(ITA)タイプのcholusグレードのトリプルクランク用カセットBBです。

程度の良い(未使用)パーツが手に入ったと喜んだのですが、いざフレームに取り付ける段になって、えらい(大変な)ことが起こりました。
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左右のワン共に、36×24tのITAを示す刻印があります。
ネジ外径36㍉で、ネジ山数24という表記です。

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右ワンは正常ですが、左ワンがあきまへんでした・・・(笑)

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36×24の刻印があるのに、36ミリありません・・・小さいです!

左ワンをフレームに取り付けようとしたら、すっぽりハンガーに嵌ってしまいました。一瞬、慌てて、何が、何やら判らんかったんですが、

落ち着いて考えたら、『これJIS用の左ワンやんけ!』なのに気が付きました、
しかし刻印は、はっきり36×24と打たれてるし・・・・・。

金属加工業などの工場経験は全く無い僕ですが、想像するに・・・。
製造過程で、刻印前のITA規格の左ワンばかり入ったボックスの中に、何らかの原因で(もちろん人為的な原因で)一個のISO規格の左ワンが混入し、そのままITAの刻印をされて、組み立て後も検査を通り抜けて?出荷されてしまったという訳やろね。

これも左右カップのみの違いで本体は同じという設計から起きたハネ物という訳か!

先日の秋のシクロジャンブルで、東京から来られたブログ友達の、Campagnolo
にお詳しい、CAMBIO工房のじゃんさんに、この事を訊ねてみました。

そのお返事は、『有るんですよ、カンパには、たまにこういう事が・・・』
という実にあいまい且つ、納得できる回答を頂きました(笑)。


Campagnoloのハネもの! 

まぁ、使えないわけではない、
左ワンはISOで使えるし、
ITAのワンに入れ替えたら、正常に使えるんですから。
使ってる奴のベアリングが逝かれたら、ボディーのみ交換して使えるし。

という事で納得することにいたしましたとさ。